⦅健康経営事例⦆両立支援コーディネーター
⦅健康経営はじめの一歩⦆
今回は、両立支援コーディネーターについてご紹介します。
みなさん、両立支援コーディネーターご存知ですか?
なにとなにの両立かというと「治療」と「職業生活・仕事」の両立です。
「治療」と「職業生活・仕事」の両立とは、
病気を抱えながらも、働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら、生き生きと就労を続けられることです。
患者・家族が治療と仕事の両立を図る上で、多くの場合、医療と職域間の連携が必要ですが、実際の治療現場では、職域との連携や協議に注力できるほどの自由度が乏しいといった理由から、十分な連携が機能しておらず、職場においても積極的な支援がなされていないというのが実情です。
こういう実情に対し、独立行政法人労働者健康安全機構では、「両立支援コーディネーター」の養成を行っています。https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1015/Default.aspx

「患者・家族」と医師・MSWなどの「医療側」と産業医・衛生管理者・人事労務担当者などの「企業側」の3者間の情報共有のためのコーディネーターの配置・養成が必要であり、治療と仕事の両立支援体制が確立できるよう、治療就労両立支援事業の一環として、研修事業を実施し、両立支援コーディネーターの養成を図っています。
両立支援コーディネーターは、支援対象者が治療と仕事を両立できるよう、それぞれの立場に応じた支援の実施、両立支援に関わる関係者との調整※を行います。
具体的には、継続的な相談支援を行いつつ、支援対象者の同意を前提として、治療に関する情報や業務に関する情報などを得て、支援対象者の治療や業務の状況に応じた必要な配慮等の情報を整理して本人に提供します。 ※関係者との調整に当たっては、両立支援コーディネーターが支援対象者の代理で交渉を行うものではありません。
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/
受講料は無料
研修は、「動画配信研修」と「WEBライブ講習」を組み合わせた形式で、
受講対象者は、医療機関、支援機関、事業場などにおいて両立支援に携わる方。
どういったことを学ぶのかというと、令和3年度の「両立支援コーディネーター基礎研修プログラム」を掲載しておきます。
両立支援コーディネーターの必要性とその役割
基本的な医療に関する知識
産業保健に関する知識
労務管理に関する基本的知識
社会資源に関する知識
両立支援のためのコミュニケーション技術
がん経験者による当事者談話
両立支援コーディネートの実際
中小企業における治療と仕事の両立支援のススメ
厚生労働省の治療しながら働く人を応援する情報ポータルサイト「治療と仕事の両立支援ナビ」(https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/)には、両立支援の取り組み方法が載っています。
動画資料もありますので、ご覧ください。3分41秒
この動画は、病気になっても、仕事を辞めないで治療と仕事の両立が可能なことを沢山の人に知っていただくために作成されたものです。がんは身近な病気になったとはいえ、従業員の方が”がん”に罹患することは、従業員規模が小さい事業場においては、珍しいことと思います。初めての対応であっても、”がん”という言葉の重さにためらわず、経営者の方もご本人も、病状や復職の意欲についてコミュニケーションをとる大切さを伝えています。
継続は力なり。そのためには継続する仕組みも大事。
事業者の方が、労働者の傷病の特性に応じた治療と仕事を両立させるための制度を導入することは、労働者の健康確保という意義とともに、継続的な人材の確保、労働者の安心感やモチベーションの向上による人材の定着・生産性の向上、健康経営の実現、多様な人材の活用による組織や事業の活性化、組織としての社会的責任の実現、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現といった意義があるとされています。
両立支援制度を導入するための補助として、「産業保険関係助成金」があります。
「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」は、事業者の方が、両立支援コーディネーターの配置と両立支援制度の導入を新たに行った場合に、事業者が費用の助成を受けることができる制度です。(令和3年度の助成金額は1法人または1個人事業主当たり、一律20万円)https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1944/Default.aspx
ほかにも、健康経営を進めることに活用できる補助金・助成金があります。
うまく使ってウェルネスワーク(働きながら健康になる職場づくり)を進めましょう。